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特集 11

水面にゆれる灯りと伝統 日田・屋形船の夜

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三隈川に浮かぶ非日常 ― 屋形船とは?

日田では屋形船は「遊船(ゆうせん)」とも呼ばれています

江戸時代、代官たちは屋形船で贅沢なひとときを楽しんでいました。その伝統は今も日田の川辺で息づいています。三隈川に浮かぶ屋根付きの船に身をゆだねれば、川風に吹かれながらゆったりと食事を楽しむ時間が流れます。提灯の柔らかな灯りが船内を包み、川面に映る街の光と相まって、日常を忘れさせる幻想的なひとときに。歴史あるまちの夜を、現代でも気軽に味わえるのが、日田ならではの屋形船体験です。

江戸の風情を今に──屋形船で味わう幻想的な時間

三隈川沿いにある歴史ある温泉宿『みくまホテル』

色浴衣に着替えて乗船です

今回体験したのは、日田温泉「みくまホテル」の屋形船プラン。
夕暮れ、旅館の桟橋から船に乗り込みます。提灯がやさしく灯る船内はまるで川に浮かぶ小さな料亭のよう。座った瞬間から旅気分がグッと高まりました。船が静かに動き出すと、川面を渡る風が心地よく、街の喧騒が遠ざかっていきます。

テーブルに並ぶのは鮎の塩焼きや季節の地元野菜を使った会席料理。川の上ならではの開放感に笑顔がこぼれ、お酒を片手に、特別な時間が流れていきます。

季節の食材を使ったお膳も、屋形船の揺れる船上で楽しめば、味わいがぐっと深まります

三隈川をバックに記念撮影

夜の川に舞う光と影――鵜たちが魅せる伝統の迫力

400年の歴史がある「鵜飼」

屋形船の目玉といえば、夏の夜を彩る「鵜飼」。海鵜(うみう)を飼育して、川魚をとるように訓練したもので、鵜匠(うしょう)と呼ばれる人達が、見事に鵜を巧みに操り、かがり火の下でショーをみせてくれます。水面に潜っては浮かび上がる鵜の動きと、炎に照らされる川面のきらめき。その迫力に、船上は歓声に包まれました。

日田の「鵜飼い」は、例年5月20日から10月31日まで行われます

鵜匠の言葉に耳を傾けながら過ごす時間は、まさに特別なひととき。川の上で間近に見る鵜の動きだけでなく、鵜匠が歴史や鵜飼いの仕組み、技の背景まで丁寧に説明してくれることも、この体験ならではの魅力です。

基本18時半~19時の出船で約2時間のクルージングが楽しめます

屋形船の料金・予約方法は?

屋形船は、日田温泉の旅館に宿泊する人におすすめの夜の体験。料金は旅館によって異なりますが、『みくまホテル』の場合は乗合船の場合、一泊二食付きプランに+4,400円(税込)で乗ることができました(事前に確認を)。「鵜飼」観覧料も含まれているので、かなりお得。旅館によっては「日帰りプラン」などもあるので問い合わせてみてくださいね。 注意点としては、前日までの事前予約が必要なこと。通常の宿泊プランには基本含まれていないため、希望する場合は予約時に必ずチェックを。「鵜飼」は毎年5月20日~10月末までの開催。天候によっては中止になる場合もあります。

水郷日田の情緒をたっぷりと味わって

川面に映る提灯の光、船上でいただく地元料理、そして迫力の「鵜飼」。屋形船はただの“観光”ではなく、歴史と夜景が混ざり合ったエモーショナルな体験でした。
「ちょっと特別な夜を過ごしたい」「旅行で思い出を残したい」そんなときにぴったり。友達同士でも、カップルでも、きっと忘れられない夜になるはずです。

屋形船情報

住所:大分県日田市隈1丁目
運航期間:通年(各旅館に予約が必要)
料金:旅館により異なる
問い合わせ:TEL0973-22-2062(日田温泉旅館組合)

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