特集 14

「一人でふらり、大分の夜へ」おすすめ夜メシ3選

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出張終わり、ようやく一息つける夜。
大分のまちは、そんな“ひとり時間”をゆるやかに包み込んでくれる。暖簾をくぐれば、香ばしい炭火の香りや湯気立つ一杯、そして肩肘張らない店主の笑顔――。夜の灯りに誘われて立ち寄る先には、気取らずうまい“大分夜メシ”がある。

今回ご紹介するのは、そんな夜にぴったりの3軒。ひとりでも心地よく過ごせる、おすすめの“大分夜メシ”をご案内します。

＜まんとく＞都町の定番、香ばしさで勝負の鶏専門店

都町の一角にある鶏モモ焼き専門店『まんとく』。扉を開けると、炭火の香ばしい匂いとジュウッという音が店内に広がり、焼き場では炎が勢いよく上がります。
オープンと同時に席は次々に埋まり、笑い声や会話が響く店内は、まるで地元の常連と肩を並べているかのような臨場感に包まれます。

目の前で焼かれるモモ肉は、皮はパリッと香ばしく、身は噛むほどにジューシー。炭火ならではの香りと熱気、焼き場のライブ感が、食欲を一層そそります。

炎のゆらめきを眺めながら、焼き上がる音を肴に一杯。熱気と香ばしい煙に包まれると、まるで都町の夜そのものを味わっているような気分に。柚子胡椒で味を変えながら楽しむもよし、冷えたビールで喉を潤すもよし。

店内には活気がありながらも、どこか落ち着きがあり、訪れるたびに自然と長居したくなる心地良さ。カウンターに腰を下ろせば、炭のはぜる音とやわらかな煙が一日の終わりをやさしく包み込みます。

仕事帰りに立ち寄れば、焼き場の明かりと店主の笑顔が迎えてくれ、いつの間にか心がほどけていく、そんな都町の名店です。

＜七村酒店＞おばんざいと地酒で味わう、大分の夜ごはん

『七村酒店』は、地元の味と人情を味わえる和モダンな酒場。扉を開けると、カウンターにずらりと並ぶおばんざいが目に飛び込んできます。落ち着いた和モダンの空間には、木の温もりややわらかい照明が心地よく、厨房から漂う出汁の香りがほのかに広がります。セルフで瓶ビールを取れる気軽さも魅力で、1人でもふらりと入りやすいのもうれしいポイント。

店主の小野育洋さんは、地元の食文化を大切にした店舗運営を行っており、にこやかな笑顔と温かな人柄で、訪れる人々を迎えてくれます。初めてでもすぐに居心地の良さを感じられ、まるで地元の友人の家に招かれたかのような、肩肘張らない空間です。

メニューは、名物の「塩からあげ」や「りゅうきゅう」などの郷土料理に加え、「沖縄そば」や旬の一品料理も。どれも小野さんのやさしい手仕事が光る味わいで、地元の日本酒とも好相性。大分らしさをしっかり堪能できる、出張や観光の夜におすすめの一軒です。

仕事帰りに立ち寄れば、ふわりと香る出汁の匂いと湯気立つおばんざいに迎えられ、旅先の「ちょっと一杯」が自然とゆったりした時間に変わります。
大分の味と人情をまとめて味わえる居心地の良さは、翌日の活力に。気取らず寄れる都町の夜の拠り所として、ぜひ覚えておきたい一軒です。

＜天龍軒＞深夜の都町で、無性に恋しくなる町中華の味

深夜の都町で、飲んだ人たちが吸い寄せられるように暖簾をくぐるのが『天龍軒』。飲んだ帰りに無性に恋しくなる味がここにはあります。骨付きのまま豪快に揚げられた名物「とりもも揚げ」は、表面カリッと香ばしく、中はふっくらジューシー。熱々を手づかみでガブリといきたい、まさに看板メニューです。

「やきぶた」は、香ばしく焼き上げられた本格派。脂の旨みと香りが広がり、思わずビールをもう一口進めたくなる味わい。

ほかにもファンが多い「中華風カツ丼」や、絶妙な火加減で仕上げたパラパラの「チャーハン」など、深夜に食べたくなる一品ぞろい。繁華街らしい活気に包まれながらも、大将の気さくな人柄に、ふと肩の力が抜けます。

カウンターに座れば、常連と初めての客が肩を並べ、思わず笑顔になる温かい空間。大将の「来てくれた人に笑顔になってもらいたい。お客さんがいるからこそ続けられている、感謝しかないですね」という言葉が、この店の味わいを一層深くしてくれます。

炭火の香り、湯気立つおばんざい、深夜の中華――。
どの店にも、大分の夜をやさしく照らすぬくもりがあります。
食を通して、このまちの人と時間の豊かさを感じてみてください。